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物語に生きる自分​

本の中で自分が見つかる時がある。

時には、振り返れば自分のことだ、と思う場面がよくある。

 僕は小説を主に読んで、時折哲学や、ビジネス書、漫画を読むのだが、

特に小説=物語に出てくる、登場人物に自分を重ねることが多い。

それはセリフや心模様、その人の背景に着目すると、

今の自分や過去の自分ととても重なる瞬間があるのだ。

 文章、あるいは台詞によって、僕の心を見透かされた感覚に陥る。

その瞬間に涙する自分がいる。

だからといってナルシズムな部分があるわけではない、とあくまでも僕は思っているし、

思いたい(なんか、そう言っている時点でナルシストなのでは、と思わなくもない)

 ちょっとした描写、何気ない台詞で揺れ動く心に弱さを感じるのだが、

致し方ないことだと思っている。

たった一つの場面で涙したり、落ち込んだりする僕のこの弱さと捉えているものが、

感受性となって僕の中の何かを衝動的に奮い立たせているから。

 それでいいと思えるからこそ、楽になれる。

この感覚を抱くのは音楽でもある。

一曲の中の、ある部分に僕の琴線に触れる。

それは同じ曲でも、その時々で感じ方がとても変わる。

これは一般的なのかもしれないし、独特な感じ方なのかもしれない。

それはわからない。

 ただ僕はこの感性があって良かったと、心から思える。

この感性を大事にしたい。

 これから先、生きていくために。

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